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12/6/13
書籍「社労士が見つけた!(本当は怖い)採用・労働契約の失敗事例55」6/13発売しました。
12/3/28
書籍「社労士が見つけた(本当は怖い)解雇・退職・休職実務の失敗事例55」3/28発売しました。
11/12/21
書籍「税理士が見つけた!(本当は怖い)事業承継の失敗事例33」12/21発売しました。
11/11/2
書籍「税理士が見つけた!(本当は怖い)飲食業経理の失敗事例55」11/2発売しました。
11/5/11
書籍「公認会計士が見つけた!(本当は怖い)グループ法人税務の失敗事例55」発売しました。

2011年中小企業の税務・会計を展望する
~IFRSはどこまで中小企業に関わるか~

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中小企業の会計に関する研究会中間報告書が示すもの

中小企業の会計に関する研究会中間報告書が示すもの

もう1つの報告書について確認をしたいと思います。
まず「中小企業の実態」とあります。我が国の中小企業は、全企業421万社のうちの99.7%を占めており、雇用の69.4%、製造業における付加価値額の54.4%を生み出している。このうち、法人形態の中小企業は、257万社あり、全法人の98.8%を占めている、とあります。
また中小企業が行う会計処理は、通常、企業会計基準に準拠されているとはいえない場合も多くみられるものの、それが会社法の「一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行」の枠内に収まっている限り、当然、会社法上適法なものである。
例えば、現在の「中小企業の会計に関する指針」は、企業会計基準を簡素化したものであり、一定の場合において法人税法で定める処理等を認める、企業会計基準とは異なるものであるが、会計参与が取締役と共同して会社の計算書類の作成において参照することが推奨されており、会社法の「一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行」に該当するものであると解されている。
法人税法会計については、我が国の法人税法では、法人の確定した決算に係る利益を法人税法における別段の定めにより調整し、課税所得金額の計算を行う確定決算主義が採用され、その具体的な手続きとして損金経理要件等が課されている。確定決算主義が採用されている背景には、課税の便宜性、課税の安定性等が指摘されているが、特に、中小企業にとっては、課税所得計算の手間を大幅に軽減できることが大きなメリットとなっている。他方、確定決算主義を通じ、法人税法で規定される処理により算出した金額が、企業会計上の金額として採用され、企業会計に影響を与える、いわゆる「逆基準性」の存在も指摘されている。
法人税法では、会計処理に関する包括的な規定として、課税所得計算は、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする」と規定されている。これは、いわゆる公正処理基準と呼ばれ、昭和42年に導入されたものである。元々、法人税法では、課税所得は、本来・税法・通達という一連の別個の体系のみによって構成されるものではなく、税法以前の概念や原理を前提として成立しているものであるとされていたところ、本規定は、課税所得は納税者たる企業が継続して適用する健全な会計慣行によって計算する旨の基本規定として定められたとされている。この法人税法上の「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」の解釈については、これまで各種の裁判例が存在している。